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Episode 1

エレクトロニクス商社の仕事
タイからベトナム、フィリピンを駆け巡る。
私の仕事は遠洋漁業のようなものだから
堤 大
洗浄プロセス営業部
洗浄プロセス営業室 室長 
2006年入社
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タイに憧れた少年時代

私は、新卒で別の会社に入社しましたが、「タイで仕事をしたい」という想いがどうしても断ち切れず、1年半で退社して貯金をしてタイに向かいました。10カ月余り学校に通い、タイ語の基礎はそこで学びました。帰国後に受けた面接で「タイ駐在希望ならうちに来なさい!」という力強い言葉をいただき、そのまま入社しました。

タイとの縁は、18歳の時に親友の父がタイに駐在していて、そこに遊びに行ったことがきっかけです。一度行ってからは毎年遊びに行きました。当時、タイ、そして駐在員の生活に憧れのようなものを抱いていたのです。

苦難に満ちたタイ進出

JFE商事エレクトロニクスに入社して3か月間は、商品知識をつけることを目的に工業用の洗浄機のメーカーに研修に行かせていただきました。そこでは知識をつけただけでなく、顔も覚えていただくことができました。研修終了後に、国内のお客様に何台か洗浄機を販売させていただき、入社1年が過ぎた頃には、「タイに行きなさい」ということで旅立ちました。

タイには研修に行ったメーカーさんにも一緒に進出してもらって、その立ち上げから関わらせていただきました。日本とはすべて勝手が違いますので、機械が故障したり、工場のラインが止まる寸前まで洗浄液を届けてもらえなかったりで、最初はなかなか思ったような結果が出ず、非常に苦労しました。私自身、タイに何度も行っていましたが、仕事をしたのは初めてです。タイ人の価値観に戸惑うことも多々ありました。南国の人なので、食べ物に困ることはありませんし、寒くないので凍死することもありません。おだやかというか動かないというか……。「最後は日本人がなんとかするだろう」とどこかで思っているので、トラブルがあってもどうしようもなくなるまで言って来なかったりして、日本では当たり前の「責任を持つ」ということを伝えるのがまず大変でした。26歳の最初の1年は記憶にないぐらい忙しかったですね。

先駆者だからこそのシェア7割

JFEは、鉄鋼の会社ですので、鉄を販売した後の加工の工程には様々なビジネスチャンスがあります。加工するためには、鉄の母材に潤滑油としての加工油を塗布してプレスや切削をします。油がついたままでは組み立てができないので、必ず、脱脂洗浄する必要があり、そのための機械を販売しているのが私たちです。日本では、古くからの商習慣など、様々な障壁があり参入が難しくてもタイでは私達が先駆者ですから、そのシェアは7割を占めています。一度シェアをとってしまえば、洗浄液等を継続して販売することができますので、まずは機械を導入してもらうことがとても大切なビジネスです。

タイの人たちはジョブホッピングと言って、条件がいいとすぐに辞めて別の会社に移る傾向があるのですが、今、現地の洗浄チームメンバー10人は、本当に辞める人がいません。最初こそ大変でしたが、やはり国籍に関係なく、一緒にやっているメンバーのことを常に考えながら一生懸命にやっていれば意気に感じてくれて応えてくれるということだと思います。
 
私は、今でも月の半分ぐらいはタイに行っています。タイからベトナムやフィリピンなどの新しい市場の応援に行っています。パスポートは、入出国の記録が年間100スタンプを超えています。タイ語の見た目はとても難しそうに見えるのですが、実はローマ字読みと同じで母音と子音の組み合わせだけで、文字を覚えれば読めるようにはなります。私は26歳から35歳まで、9年間もタイに駐在していましたので、それぐらい住んでいれば言葉は自由になります。

一方で、英語はあまり得意ではありません。それでもなんとかなります。言葉も大切ですがそれよりも大切なのは、「海外に出たい」という熱意だと思います。私の部署では入社して半年ぐらいから出張に出ますので、日本にだけ居たい人には向かない仕事と言えるでしょう。

「海外に出たい!」熱意は必ずかなう

この会社は、若い時から活躍できる会社です。私は26歳から、私の後輩は24歳からタイに駐在しています。私たちの部署では、「海外に出て仕事をしてみたい」「いろんな価値観と触れ合いたい」という人は手を上げればすぐに叶います。

そして私たちの仕事は遠洋漁業に似ています。自分たちが出ていかないと、近海に採れる魚はいません。「外洋のこの辺りに大きな魚がいるのでは」と日本で情報集めをして狙いをつけて、いざ出発したら失敗を恐れずに果敢にチャレンジすることが大切です。そういった意味では、指示待ちではなく、自分で考えて自発的に動いてくれる、かつ、チームワークを大事にしてくれる人と一緒に仕事をしたいですね。